紫微斗数の命盤

win-ex.pdf へのリンク   [紫微斗数 WIN-EXの説明]

 命盤の例(説明用)
   命宮
天梁星

D6歳~15歳
  父母宮
七殺星

D116~125歳
  福徳宮


D106~115歳
  田宅宮
廉貞星

D96歳~105歳
  兄弟宮
紫微星
天相星
D16歳~25歳
 女性の命盤     官禄宮


D86歳~95歳
  夫妻宮
天機星
巨門星
D26歳~35歳
      奴僕宮
破軍星

D76歳~85歳
  子女宮
貪狼星

D36歳~45歳
 財帛宮
 太陽星
太陰星
D46歳~55歳
 疾厄宮
 武曲星
天府星
D56歳~65歳
 遷移宮
 天同星

D66歳~75歳

左に示した表を「命盤」(めいばん)と云います。
これは説明用ですから、細部は省略してあります。


命盤の説明には簡略化した説明用の命盤で説明します。説明用の命盤には、14種類の「主星」と言われる文字と、宮の「十干」と「十二支」が記入してあります。

紫微斗数の命盤には、周囲をグルリと囲むように12個のマス目が有ります。このマス目を「宮」と云います。
12個の宮には、それぞれ意味が有ります
また、12宮が並ぶ順序も決まっています。「反時計廻り」で一周します。12宮の最初の宮を「命宮」(めいきゅう)と云いまして、「命宮」が12のマス目の何処に入るかは、生まれた時刻によって決まります
「命宮」の位置が決まれば、残りの11個の宮の位置も自動的に決まりますまた「命宮」が何処の位置の宮に入るかによって、命宮の中の「主星」の性質が変わります。

では、12宮のそれぞれの意味を以下に説明します。
初期の紫微斗数の解説書では、12宮の意味するものは単純でした。しかし、最近は実にいろいろな意味を持っている事が解ってきました。このホームページでは全てを解説することは出来ませんので、本来の目的の鑑定をされた方の場合、ご自分の「鑑定書」の意味合いを少しでもご理解頂けるように、基本的な事について解説いたします。
世の中には「紫微斗数」という占術について、占い師や師匠によって同じ事象のことでも表現や呼び方が違うことが多々有ります。私の鑑定書については、このホームページの表現方法で解釈してください。
命盤の鑑定では、12宮の中に入る「星」で様々な事を判断し、さらに「四化飛星」という方法で奥深く事象を読み解きます。
ここでは、命盤の12宮の担当する事柄を解説します。
一覧表に記述出来ない、更なる事象は表の次に記述してあります。
一般的には、上記の表のように12宮の代表的な事象を観ます。
「命宮」が、その人自身を現し、その他の宮は、その人の一生涯の傾向をジャンル別に観ることが出来るのです。

12宮は、上記の表の事象以外にも、さらに様々な事が深読み出来ます。その例を以下に示します。
(宮から読み取る様々な象意は、その宮の宮干四化をも観ています)

■命宮
「14種類の主星」の何が命宮に入るかによって、性格や容姿などが決まります。さらに25種類ほどの「副星」も命宮に様々な組み合わせで入ります。それらの「副星」で人生の吉凶もある程度観えてきます。
※ 14の主星と、25種類の副星の説明は別の頁で解説します。

人生は、自らの原因では無く、外から訪れる宿命も有りますが、自らの性格(本人も意識できないような)で、人生傾向が決まることも多いのです。その場合でも、年月で巡る運勢の影響を受け吉凶現象が増大されると感じます。
やはり性格は人生をある程度決定付けると感じます。それが命盤や命宮に現れます。
※ まれに「命宮」に14主星の何も入らない人が居ます。
主星が無い場合には、正反対に有る「遷移宮」の中の主星が、その人の命宮の主星として作用を及ぼします。ただし、このような場合には、命宮に主星の有る人とは「人生傾向」が変わって来ます。
「命宮」に主星の無い人を「命無正曜格」と呼びます。6人に1人ぐらいの割合で存在するようですが、何故か多い所には大勢居ます。私の鑑定に訪れる方にも「命無正曜格」の方が多いです。
「命無正曜格」の人は命宮の主星が無い代わりに「遷移宮」の主星の影響が大きくなるので、環境に振り回されやすい傾向が出るために、苦労が多くなる場合が有るのですね。

■兄弟宮
兄弟宮では、表で示したように、肉親で有ったり、身近な親しい友人などの人柄を現したり、人間関係の良否や関わりの強さなどを表します。しかし「兄弟は他人の始まり」なんて言われるように、兄弟宮ではむしろ、親友や身近な他人を表す方が多いです。そうは言っても兄弟姉妹との関り合いが強い人の場合は、もちろん兄弟姉妹のことを強く表す事も有ります。
私の経験では、兄弟宮に14主星のいずれも入らない(このことを無星曜という)場合は、兄弟姉妹、あるいは親友などが少ないか居ない場合が結構多いと感じます。
この兄弟宮では、自分が親友のように親しい人にどのように接するのかが特徴的に判ります。
さて、兄弟宮の意味するものに、もう一つ隠された意味が有ります。兄弟宮と、その向かい側に有る「奴僕宮」、この2つの宮を結ぶ状態が悪い場合、巡る運勢の悪い時期の死期を表す事が有ります。これは命盤の総合的な判断が必要になりますが、別の意味も有る例です。このような例は他の宮でも様々な意味を表すのです。単純に12宮の一覧表のように限られた意味だけでは無い、ということを知って頂きたいです。

■夫妻宮
恋愛、結婚など異性の事を観る宮ですが、他の意味も持っています。
恋愛や結婚など異性との出会いに恵まれて居るのか? とか、悪い出会いが多いのか? とか。
また、出会いは多くても、交際が長続きしないとか、出会いが多い分だけ異性問題、痴情問題が起きやすいとか、も解ります。結婚した場合に配偶者の助力が得られるか否かとか、逆に仕事に悪い影響や邪魔をするような配偶者と一緒に成りやすい、といったことも判るものです。
この夫妻宮で、どんなタイプの異性を好きに成るか(出会うか)も判るものです。
「結婚で人生が変わってしまう」と言われる所以は、命盤にもちゃんと現れるようになっているんですね。
異性との出会いが無くて悩む人の場合、夫妻宮にどんな星が入ってるのかでも原因が判るものです。
また、夫妻宮が「無星曜(むせいよう)」で主星が無かったり、副星も少ないような場合、割合、恋人や結婚に縁遠い人などが居ます。結婚願望が少なかったりもします。
補足ですが、夫妻宮で配偶者や本人が不倫や浮気し易いのかどうかも解ります。

■子女宮
これまでの「紫微斗数」の書籍には、生まれる子供の個性や関係性しか記述されていませんでした。したがって大して重要な宮ではないように思われましたが、実際は大変に重要な宮の1つでも有ります。
まずは、本人のSEX趣向などが解ります。性欲旺盛なのかとか、子供好きか嫌いなのか、女性であれば妊娠しにくい場合や妊娠から出産までに異常な事態が起こりやすいのかも解ります。産まれた子供に異常が有るのかなども判るものです。
つまり、不妊、流産、異常分娩、子供の障害などが現れるのも子女宮です。
この子女宮は、女性にとっては婦人科系の疾患も診ることが出来ます。特に出産に関わる重大な疾患や生まれて来る子供の障害の有無までも診ることが出来ます。
子供が産まれた後の養育の難易度も観ることが出来ますし、その子供が親にとって助力と成ってくれるのか、逆に苦労させられるのかなども観ることが出来るので、大変に重要な宮です
さらに、子女宮では自分より目下の人(部下、生徒、後輩など)で、特に関係性の強い人達との人間関係や自分がどのように接するのかも判ります。

■財帛宮
財帛宮は人生の根幹を決める宮の1つでも有ります。いわゆる「三合」の良否で人生の概略の良否が判るものです。
「三合」とは、命宮、財帛宮、(遷移宮)、官禄宮です。これらの宮の状態が良ければ、取り敢えず人生の生活面では普通に送れると観ます。でも、実際は「三合宮」の宮干四化も判断しないと、意外な凶現象が隠れてる場合が有ります。
財帛宮では、財運の良否が一目で解ります。
更に、この財帛宮で結婚後の夫婦の関係と生活の良否も判断できます。

■疾厄宮
生涯の健康状態を観るのが、この宮です。先天的な疾患、欠陥の有無や身体の強弱。また難病の類は「福徳宮」や「父母宮」も合わせて観るです。さらに「生死」に関わる兆しを観る場合には、「子女宮・疾厄宮・奴僕宮」と、それぞれの対宮にも注目します。また、身体的災厄に遭遇した時の受傷部位の判断もこの宮で観ます。
身体全体の部位を表すのは「命盤」の12の宮の位置で観ることも出来ます。
疾厄宮は父母宮の対角にあたり、「親から貰うもの一式」を表します。つまり肉体だけでは無く、人生そのものを貰うのです。それ故に
欽天派では、この疾厄宮では命宮を補完するような見方もします。更には自営などする場合の拠点の良否も診ることが出来ます。

■遷移宮
いわゆる「外出運」を観ます。一歩家から外に出た時の運勢です。
さらには遠方に出向いたり、生まれ故郷を離れ他所に住む場合の運勢も観ます。
また、外出好きか否かも解りますし、いずれは故郷を離れ他郷に骨を埋めるのかも観ます。
そのような行動傾向の他に、「社会運」としての社会生活、活動など社会人としての運勢も観ます。家の中で黙々と技術職人として働く人なのか、それとも社会に飛び出して多くの人達と関わり合いながら発展していく人なのかも観ます。
「兄弟宮」が極親しい人間関係を表し、「遷移宮」は初対面の人に与える印象を表しますから、見知らぬ土地に行って発展する人なのかも判るのです。したがって「外回り」の可否も解ります。
遷移宮は、本人の第一印象とその可否も判ります。つまり「外面」を診ることが出来ます。
つまり、初対面の人との人間関係を診ることが出来ます。

「遷移宮」が良好なら、外回りの仕事や移動を伴う仕事、遠隔地に出向いたほうが有利とか、海外に永住したり、外国へ往来したりするような生活を送ることなどが解ります。
また、外での災難も、この宮で観ます。交通事故や旅行中の事故や病気に遭いやすいか否かも観ます。

■奴僕宮
「兄弟宮」が、極親しい人間関係で、「遷移宮」が初対面の人との人間関係で、「奴僕宮」は、その中間の関係の人達との人間関係を観ます。例を挙げるなら、職場の同僚、部下、自治会、町内会の人たち、学校PTAの人たち、サークルなど活動グループの人間関係、もっと広い意味では「顧客」などとの関係の良否を観ます。
奴僕宮の人間関係とは、顔も名前も知っていて挨拶もするけれど、プライベートな付き合いはしない人間関係を診ることが出来ます。また、そのような人間関係に対して、自分はどのように接するのかが判ります。

■官禄宮
仕事の能力、事業、勤務、といったいわゆる「仕事運」を観ます。
他の宮とも合わせて観ることによって、どんな仕事向きなのかも解ります。また、1つの仕事に打ち込む人なのか、次々に仕事が変わりやすく不安定な人なのかも解ります。さらには組織の一員として能力を発揮するのか、つまりサラリーマン向きか、一人で自由に事業を展開する人なのかも見分けます。
学生の場合には、学校生活、学習態度、能力も、この宮で判断します。
官禄宮では、特に組織で行動する人の場合は重要です。

■田宅宮
家庭運、不動産運を一般に観ますが、さらには蓄財能力も観ます。「財帛宮」が流動の資産、つまり金銭の出入りを観るのに対して、「田宅宮」は晩年に向けての蓄財能力を観ます。田宅宮が良好なら、コツコツと晩年に向かって財を増やして行くタイプです。逆にこの宮が不良ならば、財帛宮で幾ら金銭を稼いでも、最後には使い果たしてしまう事が解ります。
家庭運とは、家族関係の良否です。不動産運とは、家や土地の取得の状況、また家や土地の問題で悩まされるのか解ります。いわゆる陽宅風水です。

■福徳宮
この宮は精神面を観ます。「命宮」が性格を表すのに対して、福徳宮は無意識の精神状態を観ます。深層心理の事です。
いわゆる「トラウマ的」なことも、この宮に現れます。深層心理は健康に大いに影響します。従って「疾厄宮」と並んで健康の状態も現れます。特に「免疫系」が現れますから、この宮に問題が有ると免疫系が原因の難病を発症しやすいことも過去の鑑定例から明らかです。ストレスを受けやすい度合いも観たり、精神的に穏やかな人なのか、常に落ち着かなくイライラしやすい人なんかも解ります。
うつ病などの精神的な疾患も起こしやすいか判断出来ます。さらには自殺、自傷、攻撃性の有無。
霊能力、霊感、知能、趣味の多貧。
福徳宮を診て「霊感体質」の人の場合、この宮が悪いと「憑依現象」も起こりやすくなりますので、霊感の強い人は常に心を清く保ち、「憎しみ、恨み、怒り」などの心の状態を無くす努力が必要です。
信仰、宗教の縁の有無。

■父母宮
父母、両親との関係性を観ます。厳密には父と母を「父母宮」と「兄弟宮」で見分けることもします。
目上の人、上司からの助力の有無や縁の薄厚を観たり、「疾厄宮」の対宮に当たりますから、疾病での医者の見立ても解ります。
さらに公な機関との関わり事象も観ます。
相続や訴訟問題、さらには公文書の問題なども、この宮で判断します。

※ 田宅・福徳・父母の3つの宮は「先祖の因縁」も診ることが出来ます。

以上、12宮の詳細を記述しました。

更に、以下に12宮の深い活用を記述します。
■事故、災難など、意外な事象の判断
命宮・遷移宮 と 子女宮・田宅宮 と 夫妻宮・官禄宮 と 疾厄宮・父母宮、でも判断します。
逃れられないような災難などは、これらの宮を結ぶ線上に現れます。

■生死に関わる判断
「兄弟宮・奴僕宮」 とさらに災難を観る他の宮との関係で判断します。

■桃花(色情災難、桃花犯など)
「兄弟宮・奴僕宮」 と 「夫妻宮・遷移宮・福徳宮」で判断します。

■事業に関すること
「官禄宮・疾厄宮」でも観ます。



 宮の名称 宮の呼び方  宮の意味する事象 
 命 宮  めい きゅう  命盤の本人を総合的に表す。容姿や性格、才能の賢愚。未来人生の大小、成就度合い。
 兄弟宮  けいてい きゅう  兄弟姉妹、親友など身近な人間関係の薄厚、是非、助力の大小、迷惑の有無など。
 夫妻宮  ふさい きゅう  好きになる異性のタイプ。恋愛、結婚した場合の状況。異性縁。結婚の是非。
 子女宮  しじょ きゅう  子作り。産まれた子供の個性。妊娠から出産に至る過程。産まれた後の養育の状況。
 財帛宮  ざいはく きゅう  流動の財(金銭)運。一生涯の財運。蓄財家&浪費家。金銭の運用状況。
 疾厄宮  しつやく きゅう  健康運。傷病種類部位傾向。難病の可否。治癒具合。災難遭遇度合い。
 遷移宮  せんい きゅう  外出、他所、他郷での是非。社会運。環境への適応性。対人関係。出外災難。第一印象。
 奴僕宮  ぬぼく きゅう  兄弟宮で示す以外の近隣の人間関係の是非。同僚や顧客、町内会、活動仲間など。
 官禄宮  かんろく きゅう  仕事運。職業的能力個性、職位高低。職種の傾向。
 田宅宮  でんたく きゅう  人生生活の根源。固定の財(不動産など)、人生蓄財能力。家庭運。家運興衰起伏。
 福徳宮  ふくとく きゅう  魂、霊魂、メンタル、深層心理、免疫系、寿命長短、快不快、精神方面享受。
 父母宮  ふぼ きゅう  父母性格関係、長輩、上司の縁の薄厚。公文書の是非。訴訟。