出生時刻で変わる宿命
紫微斗数という命術は「命盤」というホロスコープを、その人の生年月日、出生時刻から作成して、一生の禍福と巡る年月日の運勢を占う事が出来ます。その命盤の一番の元となるのが、命盤の「命宮」の位置です。この命宮の位置を決めるのが「出生時刻」つまり、お母さんの子宮から産道を通って外に出て最初の空気を吸った瞬間、肺呼吸を始めた瞬間です。この時の時刻で、一生の運勢の基本が出来るのです。何とも不思議な、まさに神様の為される神業と思います。
私はこのような事を定めたのは神様であると信じています。
この産まれた時刻で、どのように命宮の位置が決まるのかという仕組みを以下に説明します。
出生時刻と呼び方の関係  
 呼び方 実際の出生時刻   備考
 子の刻  23時~1時 前日の夜中の23時から 
 丑の刻  1時~3時  
 寅の刻  3時~5時  
 卯の刻  5時~7時  
 辰の刻  7時~9時  
 巳の刻  9時~11時  
 午の刻  11時~13時  
 未の刻  13時~15時  
 申の刻  15時~17時  
 酉の刻  17時~19時  
 戌の刻  19時~21時  
 亥の刻  21時~23時 23時で一日は終わり 
左の表を見てください。
紫微斗数での、一日は日常の一日と違います。夜中の23時で日付が変わり「翌日」扱いとなります。これが「紫微斗数」独自の考え方です。他の占いと大きく異る部分です。さらに左の表の時刻の欄を見て頂きますとお分かりと思いますが、「刻」が変わる時刻は同じ時刻になっています。
例えば、「丑の刻」と「寅の刻」を見ますと、
「丑の刻」は、「1時~3時」です。
「寅の刻」は、「3時~5時」です。
丑と寅の切り替わる時刻が同じ「3時」ですよね。この
「3時」に産まれた人は、丑か寅か、どちらに入るんでしょうね?
実は、この切り替わり目の時刻は厄介なのです。以下にその説明をします。
ここで、1つ知っておいて貰いたい事が有ります。
現在、時刻表示は日本全国「22時」と言えば、北海道から沖縄まで同時刻です。NHKの正午の時報の「ポ~ン」の音は北海道の北の果ても、沖縄の南の果ても同時刻に「正午」ですね。つまり時差は考慮されていません。しかし、紫微斗数は、実際の天の運行と地の気の影響下で宿命付けられていますから、人間生活の利便性から考えられた時刻で宿命は影響を受けていない。という事を理解してください。あくまでも、自然エネルギーの影響下で宿命は操られています。人間が考えた時間では無く、神様の作られた時間です。

では、本題に入ります。
この「刻」の変わり目に産まれた場合は、ハッキリ言って、どちらに命宮の位置が成るのかが、判りません。例えば、出生時刻が「12時59分」で、滋賀県の大津市で産まれたとしましょう。
大津市の現地の時刻は「日本標準時」から「+3分」となっています。つまり、出生時刻が「12:59」ならば、それに「+3分」を加算した「13:02」が現地の正しい「出生時刻」になります。
日本標準時は「明石市」が基準となっていますから、北海道まで行きますと「30分」も加算が必要になりますし、沖縄なら「-30分」ということで、1時間も時差が生じます。
この「時差」を考慮するのは、紫微斗数の「出生時刻」を決める上で大前提になっています。
しかし、この時差を考慮しても、正しい命宮に成らない場合も時々有ります。
先ほどの「大津市」生まれの例ですと、「12:59」ですから、このままでは13時前ですから、「午の刻」生まれです。しかし、時差を考慮すると「13時」を過ぎますから、「未の刻」生まれです。
この2つの時刻、たった「3分」の違いで命宮の位置は変わってしまい。命盤は「別人」の宿命を表します。この別人の命盤で占っても、別人の宿命ですから、当たらないということになります。
「時差」を考慮して、正しい命宮の命盤で占えば、その人の一生は正しく観ることが出来る。筈です
「筈です」とわざわざ言いましたのは、実は必ずしもそうではないからです。
そもそも、「刻の切り替わり目」というのは、本のページをめくるように(デジタル的)運勢が変わるものでは無いと言うのが、私の経験的に思うことです。
変わり目を境に、その前後からグラデーションみたいに徐々に変化すると思っています。
したがって、境目の前辺りから変化が出る場合も有りますし、境目を過ぎてだいぶしてから変化が出る場合も有ると感じています。

今までの経験で言いますと、現地の時差を余裕をもって考慮して、さらにハッキリと絶対に境目から相当の時刻(5~10分)が過ぎているのに、鑑定して観ると、境目より前で産まれた命盤の方がピッタリするケースを幾度となく経験しています。その疑問は、私は様々な所に向けたりしました。例えば、出産時の医者が時刻の記録を間違えたとか、大変な分娩で時計を観た時には、もう数分過ぎてしまっていたので「予想」で時刻を記録したとか。母子手帳の記録を見ますと、「12:00」とか「21:00」とかいうキッチリした表記を観ることが有りますが、これってキッチリで生まれるのって滅多に無いのでは? と思うんです。多少は「14:01」とかいうようにピタリといかない方が多いのではと思います。
したがって、母子手帳の記録であっても、分単位が切り捨てたように「15:00」と有るものは疑ってかかります。そのような、場合には境目の時刻の前後の命盤を2つ作成し、その人の性格や過去を鑑定しピタリとする方を採用します。ただし、生まれて間もない場合は、過去も産まれたばかりですし、2~3ヶ月の赤ちゃんでは性格もハッキリしませんので困りますが。

以上のように、「出生時刻」は紫微斗数にとっては最重要項目です。

以上長々述べた事象以外に、産まれた場所の「風水的」要素も、命宮の位置に影響力を持つと考えています。たとえ「出生時刻」が正確であっても、その土地の「地の気」の影響で宿命に変化を与え、命宮の位置を一刻ズラして正解という場合も有るようです。
この件に関して以下の文献に詳しい記述が有りました。
「紫微斗数精義(鮑黎明 著) BNP」 23ページを参照ください。